【怪談】趣味のシティウォッチング。双眼鏡で街を眺めていたら・・・
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俺にはちょっとした変わった趣味がある。

次の日が休みの前日、仕事で遅くなった日でも、

遅い夕飯を食べて、一杯飲んだ後、

ほろ酔いのまま自宅の屋上にあがる。

だいたい時刻は午前1時半くらい。

自宅の屋上から、自分が住んでいる街を観察するのだ。

勝手にシティウォッチングと呼んでおこう。

 

俺の家は一軒家で、小高い丘から伸びる坂を下ったところに建っている。

一軒家といっても、屋上があり、やや縦長の建物である。

 

その屋上にあがり、双眼鏡で、道行く人や街灯や

寝静まった街並みを観察するのが好きなのである。

この時間にもなると、もう人通りも少なくなり、明かりがついた家もほぼない。

俺はこのシンとした街を見てリラックスする。

昼間の喧騒から離れて、世界を見下ろしているような気になるのだ。

俺の趣味について、今まで誰にも話したことはなかった。

しかし、これを話そうと思ったのにはワケがある。

ある夜のことだった。

夏になる直前。

梅雨が明けるか明けないかくらいの時期だった。

 

明日が休日ということで、雨も降っていなかった。

いつものように俺は一杯飲んで、

気持ち良く酔っぱらったまま自宅の屋上に上がった。

風もそんなに吹いていないが、心地よい涼しさ。

屋上で深呼吸して、いつものように双眼鏡で街を眺めていた。

時刻は142分。

 

もう誰も起きていない街。

 

いつものように、西側から街の観察をする。

西側は、ちょっとした繁華街があるので、

あまり好きじゃない。

この時間でもちらほらと明かりが灯る街並みは、

昼間のゴミゴミとした街を思い出す。

時刻は1時45分。

 

俺は、北側の方角に向きを変えた。

北側の景色は結構好きだ。

俺のうちから北の方角は、住宅街で、

この時間になるとみんな寝ている。

 

静かだ・・・。

 

なんとなくホッとするような、安心するような気がする。

時刻は149分。

 

ところどころにある、自動販売機と街灯の明かり以外に明かりはない。

最近のハマっている景色は、

丘から俺の家まで続く坂道を上から坂道に沿って下るというものだ。

 

この日も早速丘からゆっくりと坂道を眺め下りていった。

坂道のところどころにある自動販売機をたどって、

双眼鏡の視界を下ろしていく。

あの自動販売機には、虫がいっぱいたかっているのだろう。

 

そのとき、何かが見えた。

 

「ん?」

 

思わず声が漏れた。

何か、よくわからないものが坂道を下ってくるのが見えた。

双眼鏡を持ち直し、もう一度そのよくわからないものを見た。

 

「・・・子供?」

 

双眼鏡が向いたそこには、ガリガリに痩せた、

小さい子供のようなものがいた。

そして、そのよくわからない人のようなものは、

猛スピードで坂道を下ってきているのが分かった。

 

「うわっ」

 

じっと観察していたが、そのよくわからないものが、こちらを向いた。

絶対に目が合った。

相手もあきらかに俺が見ていることに気づいたようだ。

距離はまだまだあるが、俺の顔を見ながら、どんどん坂道を下ってくる。

ものすごいスピードでこちらを見ながら坂道を下ってくる。

 

ヤバいやつだ!

 

そう思った俺は、大急ぎで屋上からすぐに駆け下り、部屋に戻った。

あいつは絶対に俺のことを見ていた。

そしてあの坂道をすごいスピードで駆け下りている。

それは、いずれ俺の家にやってくることを意味しているのだ。

 

俺は家の中に入り、家に灯っていた明かりをすべて消した。

ベッドに入るなんてそんな悠長なことはできない。

玄関の脇で、立てかけた傘を手にとり、身構えた。

 

しばらくして、屋上への階段を上がる音が聞こえた。

 

ダダダダダ・・・

 

俺は身を固くしていた。

なるべく小さくなって、どんなことになってもいいように

緊張したまま身構えていた。

そして

 

ダダダダ

 

階段を駆け下りる音。

ますます俺は緊張して身構えた。

 

ドンドンドン!

 

玄関のドアが乱暴に叩かれる。

俺はびくっとする。

 

ピンポーン、ピンポーン!

 

続けざまにならされるチャイム。

 

ドンドンドン!

ドンっ

 

最後の音はドアを蹴った音だろう。

 

さらにウーとうめくような声も聞こえた。

 

なんなんだ。あいつは。

人なのか?いや人じゃないのかもしれない。

 

そんなことが頭の中をぐるぐるしている中、

ドンドンというドアを叩く音は激しくなっていった。

 

ドンドンドン!

 

緊張したまま、じっと耐えた。

傘を握りしめる手に力がさらにこもった。

 

しばらく、ドアを叩く音が続いた。

時刻はもうわからない。

 

そして、静かになった。

 

安堵もあったが、俺はそこから動けなかった。

電気をつけたら、また絶対にあいつがくる。

身を固くしたまま、朝を迎えた。

俺は恐怖で身がすくみ、じっとその場所にいた。

緊張と不安で疲れていた。

でも、いつまたあいつが戻ってくるかと思うと、

ウトウトすることもできず、傘を持つ手を緩めることもできなかった。

 

あいつが俺の家にやってきたのはその日だけだったが、

それからしばらく、俺は眠ることも満足にできなかった。

ベッドで寝ようとしても体が緊張して、寝付けない日々が続いた。

もちろんベッドに傘を持ち込み、いつあいつがきてもいいようにしたが、

そんなものは気休めにもならなかった。

 

あの日のあいつの目。

俺はもう屋上でのシティウォッチングは二度としない。

 

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