【怪談】トン、トン、トン、何の音?私の後ろにいるあなたは、誰ですか?
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子どもの頃、遊びで「トントントン、何の音?」というのをよくやっていた。

みんなで「トントントン、何の音?」と聞き、

鬼役の人が「ネズミの音」とか「風の音」とか言って、

その度にみんなは「あ~良かった」と言うのだ。

そして鬼役の人はタイミングを見計らって「オバケの音~」と言う。

すると、みんなは「わ~!」と散り散りに逃げ出し、そこから鬼ごっこに進展する・・・といった遊びだ。

 

この遊び、子どもながらに「何の音?」の答えを待つ間がとても怖かった。

「オバケの音~」はあくまでも鬼ごっこのスタート合図であって、

本当にオバケがやってくるわけではないのに、

オバケの存在も怖かったし、それ以上に得体の知れない何かが

ドアの外に立っているというのが怖かった。

 

子どもの遊びなのに、異常に怖がる私を、母はどうしたものかと思っていたらしい。

その恐怖心も成長するにつれて薄れていき、

大人になってからは懐かしさすら覚えるようになった。

 

私にも子どもができて、子どもの方から「ねぇパパ、トントントン、

何の音?っていう遊び、知ってる?」と聞いてきた。

「お~パパも子どもの頃よくやったぞ!」と言うと、

嬉しそうに「一緒にやろうよ~」とせがんできた。

 

それから、親子でもよくこの遊びをやるようになった。

といっても鬼役は私と娘の交代になるから、

逃げだしてタッチするまでの間、追いかけっこを楽しむという陳腐なものだった。

 

娘はすっかり味をしめ、よく私の背後からこっそり忍び寄り、

急に背中に抱きつき、その状態で「トントントン!何の音~?」と始めるようになった。

もはや鬼ごっこなどどうでも良いらしい。

 

こんなにベタベタしてくれるのも今のうちだよな・・・

私もそう思い、親子の幸せな時間を楽しむようになっていた。

 

そんなある日、家族で近所の神社に出かけた。夏祭りだったのだ。

妻と娘は浴衣を着てごきげんだった。

私は普段着のまま出かけて、人混みの中、屋台めぐりを楽しんだ。

 

そうこうしているうちに、妻と娘を見失ってしまい、

少し探したが見当たらないので、諦めた。妻と娘は一緒にいるだろうと思ったし、

そのうち合流できるだろうと思ったからだ。

 

神社のベンチに腰掛けて休んでいると、背中をトントントン、と叩かれた。

 

お、来たか。

 

私はそう思った。

「トントントン」遊びをしている時に振り向くと娘は怒るので、

この時も私は振り向かずに「何の音?」と聞き返した。

 

すると、女の子の声で「ねずみの音」と返ってきた。

しかし、この声は、娘のものではなかった。

 

私は反射的に振り返った。

しかし、そこには誰もおらず、微かにパタパタと

走り去るような音が聞こえたような気がしただけだった。

 

誰かのいたずらか・・・?

そう思い、ふたたびベンチに座ってぼんやりしていると、

また背中をトントントン、と叩かれた。

 

「何の音?」

一応尋ねてみる。

 

「風の音」

 

そして間髪入れずに、またトントントンと叩いてきた。

 

「何の音?」

 

しかし、答えがない。

ふり向こうとしたその瞬間、背中を複数の手が

トントントントントントントンと叩き始めた。ドンドンというよりもトントンという軽いかんじなのだが、いくつもの手が叩いていた。

 

私は仰天して振り返ろうとした。

しかし首が回らない。

まるで金縛りにあったように、身体が動かなかった。

 

複数の手は私の背中を叩き続けた。

トントントントントントントントントントントントントントントントン・・・

 

私はパニックになりながらも、身動きのとれない身体で、

叫ぶこともできずに耐え忍ぶしかなかった。

 

そして「あー!パパ!こんなところにいた!」という妻の声で呪縛が解けた。

身体が自由になり、トントン叩きも止んだ。

 

「もう、どこに行ったのかと思っちゃったよ」

そう言った妻が、娘と一緒ではないという事に気付き、

私の一瞬の安堵感は吹き飛んだ。

 

娘はどこだ?と妻を問い詰めると「あそこにいるでしょ。ひとり遊びしてるの」とすぐ近くを指した。

 

私は娘を視界に捉え、ほっとした。

しかし、娘の周りに何人もの子どもが半分透けた状態で見えて、ぎょっとした。

 

瞬きをすると、子どもたちの残像は消えて無くなったが、

娘の元へ駆け寄ると娘が独り言のように「トントントン、何の音?」と

口ずさんでいたので、慌てて抱き上げて気をそらした。

 

その後娘が私に「みんなと遊んでいた」と言っていたのは、聞かなかった事にしよう。

そして、この神社にはしばらく近づかないようにしよう。

そう心に決めて、私は妻と娘を連れて足早に家に帰った。

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