自業自得と言われてしまえばそうなんだが、懺悔と後悔の念も込めて、

そして生霊の恐ろしさを吐き出したく、ここに投稿する事とする。

最初に言っておく。俺は最低のクズ野郎だ。
浮気をした。

結婚した身でありながら、別の女性と関係を持ってしまい、

離婚してその女性と一緒になった。

最初はちょっとした火遊びのつもりだったが、

徐々にその女性に入れ込んでしまい、この女性と一緒になりたいと思ってしまった。
罵れば良い。自分が何をしでかしたかという事はよく分かっている。

そして俺は元嫁に離婚してくれるよう懇願した。
元嫁は離婚したがらなかったんだ。

俺は慰謝料はいくらでも払うから離婚してくれと必死に頼んだ。

まだ子どももいなかったため、俺たちを繋ぎとめるものは何も無かった。
元嫁は恨みのこもった眼差しを俺に向けて、

半ば追い出されるような形で家から出ていった。

そして俺は浮気相手の女性と結婚した。以後この女性を「妻」と呼ぶ。

妻との間に子どもができ、俺たちは幸せの絶頂だった。
産まれた子どもは可愛らしい女の子だった。

娘は、生まれたばかりの頃は「パパにそっくりね」と言われ、

俺もその言葉を聞くたびに嬉しく、誇らしかった。
赤ん坊の顔は時が経つにつれて父親似になったり、

母親似になったり、徐々に変化していくらしい。娘の顔もそうなるんだろうか、と思いながら、

俺は娘の妻に似ている部分を探すようになった。

しかし、どうにも娘と妻の共通点が見当たらない。
それどころか、信じられなかったが、どちらかというと、

元嫁に似ていると思う瞬間がたまにあり、俺は空恐ろしいものを感じた。

断じて元嫁の子ではない。
時期を計算すると100%その可能性はありえない。

それなのに、妻には似ていないのに、元嫁には似ている・・・?
どういう事なのか全く分からなかった。

娘はひどく手のかかる子だった。
特に、母親である妻にはとことん懐かず、夜泣きも酷く、

まるで妻の手を煩わせようとわざと困らせる事ばかりしているかのようにさえ思える時があった。

育児ノイローゼ寸前の妻を、しかし俺は懸命に支えた。
娘は不思議な事に、俺があやすと泣き止み、眠りにつくのだった。

妻も俺も、娘が元嫁に似ているという事に関しては何ひとつ触れなかった。
俺から妻になんて絶対に言えなかったし、

妻がどう感じていたかは知らないが、元嫁の顔を知っているので

何か思うところがあったかもしれない。しかし、俺には何も言ってこなかった。

当たり前といえば当たり前だが、妻は自分がお腹を痛めて産んだ子なのだから、

自分の子である事には変わりないのだ。

娘はそれでもすくすくと成長した。
しかし、妻と娘の仲は良いとは言えなかった。

なぜかいつも妻には反抗的で、言う事をきかないのだ。

そして、娘には悪いクセがあった。
それは俺に妻の悪口を吹き込む事だった。

「お母さんがコッソリ高級レストランに行ってたよ」とか

「お母さんがお父さんの悪口をご近所さんに言ってたよ」とか、

そういう事をとても嬉しそうに告げ口してくる。

俺は「そういう事はやめなさい」とたしなめたが、

真偽を確かめたくて妻と口論になる事も増えた。

そして、ついに妻の口から「あの子が怖い。気味が悪い。

どんどん元嫁さんに似てきている。

でも私が産んだ事に違いはないから、余計に怖い」という言葉が出てしまった。

「何をバカな事を」と一蹴しようと思ったが、

その時、我々の言い争いを覗き見していた娘がニヤリと笑ったのを、

俺の目は捉えてしまった。

背筋が凍りそうなぐらい冷たい笑顔だった。

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